この度、拙作『絶叫』が第36回吉川英治文学新人賞の候補になりました!
と、書くと、大半の人は「またなんかの賞に出したの?」と思われるかもしれませんが、そうじゃないんです。
小説の「賞」には、デビューを目指して投稿する公募の新人賞の他に、すでにデビュー済みのプロを対象にした顕彰や文化振興のための賞もあるのです。
今回の「吉川英治文学新人賞」は後者の賞。出版業界では、こういうプロ向けの賞を「文学賞」と呼びます。
(ちなみに、いま私が書いているエンタメ小説を対象にした文学賞で一番有名なのが「直木賞」です。さすがにこれは聞いたことのある人も多いことでしょう。この直木賞と一緒に発表される「芥川賞」も同じかそれ以上に有名ですが、こっちは、より芸術性に重きを置いた「純文学」というジャンルの小説を対象にした賞です)
これら文学賞は、公募の賞と違い、欲しいからといって応募したり立候補したりすることはできません。多くの場合、一定期間に発表されたプロの作品を対象に、主催者が独自の判断で候補を選んで選考会にかける形をとります。作家は選ばれるのを待つしかないのです。
吉川英治文学新人賞は、一般的な知名度は直木賞に及びませんが、業界的にはとても注目される賞です。多くの先人たちが、この賞をきっかけに作家としての飛躍を果たしています。
今回ノミネートされたことは、私にとってとてつもなく大きなことだし、光栄と言うほかありません。
『絶叫』は、本当に苦しんで苦しんで、現時点での自分の限界まで書いたと言える作品なので、感慨もひとしおです。
読者のみなさんの支持の声が、ノミネートにつながったと思っております。
ただ、ただ、感謝です!
もちろん、せっかくのチャンスですから受賞したいとは思っていますが、いまからできることは何もないので、ドキドキしながら結果を待つことにします。
選考会は3月3日。
さてはて。どうなることでしょうか。

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