そうそう。
27に幻冬舎から新創刊された文芸誌『小説幻冬』で、連載をはじめています。
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/10/27
- メディア: 雑誌
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タイトルは『凍てつく太陽』。
昭和20年、終戦間際の北海道を舞台にした、「北の特高」──北海道庁警察部特高課に所属する刑事の物語です。
頑張って面白くしたいと思います。
本になるのは来年かと思いますが、こちらもどうぞよろしくです。
どもども。
というわけで今年2冊目になる新刊『コクーン』が発売になりました!
カルト教団の無差別テロ事件によって人生を狂わされた人々の、〝以前〟と〝以後〟の物語。
教団に息子を殺された母親
教祖の幼なじみの男
逮捕された信者の妹
教団に妻を奪われた男
そして、教団の成立に密接に関わる女
──狂った世界の中で必死にもがく人々の振る舞いが、予期せぬ結果をもたらしてゆく。
人間の運命はあらかじめ決まっているのか? だとしたら、人間に自由意志はあるのか?
小説でしかたどり着けない善悪の彼岸を目指した入魂の一本です。
また、本作の単行本、カバーを外してみると……表紙に本編の「その後」を描いた掌編を仕込んであります。
電子版や文庫にはつかない、紙の単行本だけのボーナストラックという試みです。
是非、ご一読ください!
どもども。
と、いうわけで、新刊長編小説『ブラック・ドッグ』が、発売になりました!
「人間と動物は完全に平等であり、人間の都合で動物を利用することは差別──種差別(スピーシズム)──である」という思想を掲げる過激な動物愛護団体〈DOG〉。
彼らは、東京湾に浮かぶ人工島「海の森」のイベント会場を封鎖。来場者を閉じ込めた上で、人を食らう巨大な獣を解き放つ。
閉鎖空間の中、襲い来る恐ろしい獣たち。人間と動物は何が違うのか。人間を人間たらしめるのものは何か。極限状態で問われる倫理の限界線。生き残れるのは誰だ?──的なパニックホラーです。
本作には、大きな元ネタとなっている本が、二冊あります。
ピーター・シンガー『動物の解放』
テンプル・グランディン『動物感覚』
どちらも、かつて『犬部!』のコミカライズでシナリオを担当したときに、動物愛護のことを色々と調べていく中で出会った本です。
『動物の解放』は、本作のテーマにもなっている「種差別(スピーシズム)」という考え方を提唱したもの。
著者のピーター・シンガーは功利主義という立場をとる倫理学者なのですが、彼は合理的な理論展開で、肉食の禁止をはじめとする、かなり極端な動物愛護思想を導きます。
わたし自身は、お肉大好きだし、シンガーの議論は受け入れられないのですが、いざ、否定しようと思うと、かなり難しい。それどころか、合理的に考えるとシンガーの結論が正しく思えてしまうんですね。(この辺の理路はアレンジして作品に反映してますので、是非確かめてください)
でも、その正しさを受けれてしまえば、たぶん今の人間社会を根本からひっくり返さなければならなくなってしまうわけです。やっぱり、わたしは受け入れらない。
で、こういうジレンマって、エンタメになるんじゃないかな、と着想を得ました。
もう一冊の『動物感覚』の著者、テンプル・グランディンは、ASD(アスペルガー症候群)の当事者でありながら、世界中の動物施設の監査をする動物学者です。
彼女は、暗算が得意だったり、緻密な絵が描けたりと、特定の領域でだけずば抜けた能力を発揮する「サヴァン症候群」のASD当事者の持つ感覚は、動物のそれと近く、ASDは人間と動物の間にある駅であると表現します。
彼女の主張は、シンガーとはまた違った形で、わたしたちが固定的に考えがちな人間と動物の関係を問い直すもので、とてもエキサイティングでした。(ちなみに、彼女は普通に肉も食べる人です)
で、こういった本で得た知見を、わたしなりにぐにゃぐにゃに解釈し、更に強引に『ミスト』とかのパニック要素と雑ぜ繰り合わせ、できあがったのが本作です。
今回は、これまでの作品とやや趣を変え、かなりエンタメに寄せた作品になっております。いっぱい人が死ぬし、例によって人間のクズもいっぱい出てくるんですが(笑)、そいうのが嫌いでなければ、ハラハラドキドキ、楽しんでいただけると思います。
是非、ご一読ください!
よろしくお願いします。ガオー!!
どもども。
年末ですね。
光文社のミステリーアンソロジー「宝石 ザ ミステリー 2016」に
『サブマージド』という作品寄せてます。
舞台は2011年。主人公の「私」の元に長年行方のわからなかった兄が、東日本大震災のときに津波に飲まれて死亡したという知らせが入る。
「私」は兄の遺体を引き取りに東北へ向かうが……。
といった話で、ほんのちょっとホラーというかファンタジーというか、不思議なテイストの話です。
色々な方の短編が楽しめる一冊です。よかったら、お正月休みの読書に、是非。
よろしくです。