葉真中顕のブログ

作家・葉真中顕/はまなかあき のお知らせブログです。


新刊『ブラック・ドッグ』発売。

どもども。
と、いうわけで、新刊長編小説『ブラック・ドッグ』が、発売になりました!

ブラック・ドッグ

ブラック・ドッグ


「人間と動物は完全に平等であり、人間の都合で動物を利用することは差別──種差別(スピーシズム)──である」という思想を掲げる過激な動物愛護団体〈DOG〉。
彼らは、東京湾に浮かぶ人工島「海の森」のイベント会場を封鎖。来場者を閉じ込めた上で、人を食らう巨大な獣を解き放つ。
閉鎖空間の中、襲い来る恐ろしい獣たち。人間と動物は何が違うのか。人間を人間たらしめるのものは何か。極限状態で問われる倫理の限界線。生き残れるのは誰だ?──的なパニックホラーです。


本作には、大きな元ネタとなっている本が、二冊あります。
ピーター・シンガー『動物の解放』

動物の解放 改訂版

動物の解放 改訂版

テンプル・グランディン『動物感覚』

動物感覚―アニマル・マインドを読み解く

動物感覚―アニマル・マインドを読み解く


どちらも、かつて『犬部!』のコミカライズでシナリオを担当したときに、動物愛護のことを色々と調べていく中で出会った本です。

『動物の解放』は、本作のテーマにもなっている「種差別(スピーシズム)」という考え方を提唱したもの。
著者のピーター・シンガー功利主義という立場をとる倫理学者なのですが、彼は合理的な理論展開で、肉食の禁止をはじめとする、かなり極端な動物愛護思想を導きます。
わたし自身は、お肉大好きだし、シンガーの議論は受け入れられないのですが、いざ、否定しようと思うと、かなり難しい。それどころか、合理的に考えるとシンガーの結論が正しく思えてしまうんですね。(この辺の理路はアレンジして作品に反映してますので、是非確かめてください)
でも、その正しさを受けれてしまえば、たぶん今の人間社会を根本からひっくり返さなければならなくなってしまうわけです。やっぱり、わたしは受け入れらない。
で、こういうジレンマって、エンタメになるんじゃないかな、と着想を得ました。

もう一冊の『動物感覚』の著者、テンプル・グランディンは、ASD(アスペルガー症候群)の当事者でありながら、世界中の動物施設の監査をする動物学者です。
彼女は、暗算が得意だったり、緻密な絵が描けたりと、特定の領域でだけずば抜けた能力を発揮する「サヴァン症候群」のASD当事者の持つ感覚は、動物のそれと近く、ASDは人間と動物の間にある駅であると表現します。
彼女の主張は、シンガーとはまた違った形で、わたしたちが固定的に考えがちな人間と動物の関係を問い直すもので、とてもエキサイティングでした。(ちなみに、彼女は普通に肉も食べる人です)

で、こういった本で得た知見を、わたしなりにぐにゃぐにゃに解釈し、更に強引に『ミスト』とかのパニック要素と雑ぜ繰り合わせ、できあがったのが本作です。

ミスト Blu-ray

ミスト Blu-ray

今回は、これまでの作品とやや趣を変え、かなりエンタメに寄せた作品になっております。いっぱい人が死ぬし、例によって人間のクズもいっぱい出てくるんですが(笑)、そいうのが嫌いでなければ、ハラハラドキドキ、楽しんでいただけると思います。

是非、ご一読ください!
よろしくお願いします。ガオー!!

アイアムアヒーロー THE NOVEL

どもども。

もうすぐ実写映画が公開される花沢健吾さんの大ヒット漫画『アイアムアヒーロー』のスピンオフ小説集『アイアムアヒーロー THE NOVEL』に私も作品を寄せてます。
本日発売です。

いわゆるノベライズではなく、『アイアムアヒーロー』の世界観で各作家がオリジナルのスピンオフ作品を書いております。
私は「GAME is OVER」という将棋+人工知能+ゾンビという、変化球気味の短編を書きました。

よろしくです~。

短編『リビング・ウィル』

どもども。

現在発売中の実業之日本社「月刊J-novel」3月号に、『リビング・ウィル』という短編小説載っています。

月刊J-novel2016年3月号

月刊J-novel2016年3月号

J-novelでは、毎回、変化球的な味のヘンテコな短編を書かせてもらっているのですが、今回は植物状態と尊厳死という、やや重めのテーマをあつかいました。
どうぞよろしく~。

宝石 ザ ミステリー 2016 。

どもども。
年末ですね。

光文社のミステリーアンソロジー「宝石 ザ ミステリー 2016」に
『サブマージド』という作品寄せてます。

宝石 ザ ミステリー 2016

宝石 ザ ミステリー 2016

舞台は2011年。主人公の「私」の元に長年行方のわからなかった兄が、東日本大震災のときに津波に飲まれて死亡したという知らせが入る。
「私」は兄の遺体を引き取りに東北へ向かうが……。
といった話で、ほんのちょっとホラーというかファンタジーというか、不思議なテイストの話です。

色々な方の短編が楽しめる一冊です。よかったら、お正月休みの読書に、是非。
よろしくです。

このミス、ダ・ヴィンチ。

どもども。

宝島社「このミステリーがすごい!2016年版」の「私の隠し球」という作家が来年の新刊を予告するコーナーに登場しております。
一緒に短いエッセイも寄せています。

このミステリーがすごい! 2016年版

このミステリーがすごい! 2016年版

「このミス」をはじめ、年末は各ランキングが発表される時期になりました。
今年は新刊ないので全く関係ないと思っていのですが……
ダ・ヴィンチ」のBOOK OF THE YEARに『絶叫』がランクインしてました。(ま、下位ですけど)

ダ・ヴィンチ」は「このミス」などと違い、9月刊行作品までが対象なので、前年10月の『絶叫』も、ぎりぎり滑り込んでいたんですね。
全然今年の本という感じじゃないのに、投票してくれた方に感謝です。

来年は今年の分を埋める意味でも、最低でも2冊、新刊を出す予定です。
近くなったらまたお知らせしますので、どうぞよろしくです。

警察小説アンソロジー『地を這う捜査』。

どもども。
今年は新刊が間に合わず、ちょっと寂しい年末ですが……
徳間文庫から刊行された警察小説アンソロジー『地を這う捜査』に、参加しております。

地を這う捜査: 「読楽」警察小説アンソロジー (徳間文庫)

地を這う捜査: 「読楽」警察小説アンソロジー (徳間文庫)

私は去年「読楽」に発表した『洞(うろ)の奥』という作品を寄せております。
「警察官の鑑」と呼ばれている警部が謎の死を遂げ、その真相を巡り、警部の娘と監察官が右往左往するお話しです。
短編ならではのツイストの利いた読み応えを意識して書きました。

私の他の執筆者は、安東能明さん、河合莞爾さん、佐藤青南さん、日明恩さん、深町秋生さん、です。
まさに「気鋭の」と称される書き手の方たちばかりで、混ぜてもらえたことをありがたく思います。

警察小説というしばりはありますが、全員作風が違いますので、様々なテイストを楽しめるお買い得な一冊になっていると思います。
是非、手にとってくださいませ。

よろぴか☆

「ジャーロ」にて綾辻行人先生と対談。

どもども。
いま売りの光文社「ジャーロ」NO.55秋冬号に、綾辻行人先生との対談が掲載されております。

ジャーロ NO.55 秋冬号 (光文社ブックス 119)

ジャーロ NO.55 秋冬号 (光文社ブックス 119)

対談の中でも話題になっておりますが、綾辻先生といえば、私が『ロスト・ケア』日本ミステリー文学大賞新人賞をいただいたとき、選考委員をつとめていらしていた方です。
「社会派を迎え撃つ」なんて、物騒な宣言から始まっておりますが、ざっくばらんにいろいろな話をさせていただきました。

また、「ジャーロ」は次号から完全に電子化するそうです。
表1に「さよなら、アナログ!」表4「紙とインキよ、ありがとう!」のメッセージが。

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これも時代の流れですねえ。